たかがリューシの文才で

歌えない・踊れない 悲しい”社畜”の物語

デートをしよう①

前回までのあらすじ

 

オッス、オラ、リューシ!

思い返せば29歳の11月の勤労感謝の日

ゼクシィの無料相談に行った時から俺の婚活は始まった。

担当アドバイザーに危うく丸め込まれかけ、

秋葉の牛丼屋で卵と涙を零し、

メイド喫茶タワーの頂点のとら婚で結婚相談所の実態を知り、

ならばとマッチングアプリに登録して無駄ないいねを送りまくり、

東京駅で公衆の面前で写真を撮られるという精神的拷問を受け、

20代最後の性の6時間を無駄に過ごし、

3か月分の課金をどぶに捨て、

懲りずに4か月目の課金をして成りすましをし、

ようやくメッセージの送り方を覚え、

ひなビタ知ってる女性とマッチングし、

Monkey BusinessDP赤クリアできる女おる?

ついに人生初デートの約束を取り付け、

ピアス拡張してるらしいと知ってビビり、

3月某日。なんやかんやでデート当日を、

迎えた!

 

以下本文

 

あんなこと、こんなこと、あったでしょう。

Pairsに登録して3か月強。マッチングした人数は70人程度。メッセージのやり取りに発展したのが15人程度。

ついにデート当日。この瞬間を待っていたんだ。

俺は20代でデートをしたことのある6割の人間になるぜ。

 

この日のUさんとの待ち合わせは、池袋に14時。

完璧な俺の計画はこうだ。

S君の冬コーデに身を包み、

11時半に銀座の美容室で髪を切り、

昼飯を食べてからUさんと合流。

茶店で1,2時間ほど茶をしばきながらお話をする。

連絡先を交換して次回の約束を取り付け、

解散

 

う~ん。息が止まりそうなパーフェクトプラン。

 

ちなみに解散後、夜は愚妹と飯を食うことにした。

愚妹は俺とは違って、周りに人が集まるタイプだ。

なんと、中学では生徒会長なんぞやっていたらしい。

本当に同じDNAか?

で、今は小学校の教師なんぞをやっている。

だが、教師なんぞドの付くブラックだし、おまけに人間関係が相当アレらしいので、まあ~辞めたいらしい。

同じDNAだったわ。

スーパー仕事を辞めてえブラザーズだ。

で、吝嗇家の俺がどういった風の吹き回しかというと、肉体的にも精神的にもブラックな職場に身を置く愚妹は、これまた俺とは違って一人暮らしをしているので、気を違えていないかと、たまに生存確認をして愚痴を聞いてやっているのだ。で、時期的にホワイトデーのお返しも兼ねて、飯の一つでも奢ってやるかという、珍しく太っ腹な思い付きをして約束をしていたということだ。

ただ、日を分けて出かけるのも面倒だから、Uさんとのデートと同じ日にしちまえ、と考えたのだ。やらなければならないことは手短に。うん、合理的だ。

我ながら、自分の計画性の高さが恐ろしい……

 

そんな俺のパーフェクトプランは前日の時点で破綻していた。

 

なんとその日は、今年初めての非常に暖かい日であった。どこに行くのにも着ていたS君コーデは結構暖かい格好であり、流石にそぐわない。かといって、俺のセンスでは「ちょっと暖かくなった日」の適切なコーディネートなど導き出せない。Sくぅん!どうしよう!?俺はS君にラインで泣きついた。

 

「なんかマウンテンパーカー持ってたやろ。オーバーサイズのダウンの代わりにあれでも羽織っとけ」

 

マウンテンパーカーったって結構丈が短いぞ!俺は写真を撮って送る。ほらダウンの代わりにするとこんな感じだ、丈のバランスがおかしくないか?すると、まあいいだろうという返事が返ってきた。ふぅん、アウターだけ変えればいいものか。小規模な変更で良かった。

ただ、テンパって撮影したから、家の中で部屋干ししている洗濯物が思いっきり映り込んだままの、みっともない写真を送ってしまって笑われた。恥ずかしすぎる。

 

何とか服装が決まったので、慣れないコンタクトもつけて、どうにか身支度は整えた。神を斬るためにザギンに向かう。

予約した美容院は定価で8000円くらいするところだ。高っけえ。東京駅で拷問されたときは1200円カットで行ったから、それとは比べ物にならない。ただ、ホットペッパーBeautyのクーポンを使って4000円也。それでも過去一の高さ!まあ初デートなんだ。気合も入れるぜ。きっとめちゃくちゃイケメンに仕上がるぞ。

 

そういう訳で美容室に入った。程なく席に案内されて、今日はよろしくお願いしますと美容師と挨拶するわけだが、担当についたのは銀髪に染めた若いニーチャンだった。おお……流石銀座だ(?)

しかし、ピアスの拡張こそしていなかったが、銀髪に染めている人もそれはそれで警戒してしまう。銀髪キャラ(♀)は好きなんだけどな……

それで、テンパってカットの希望がすんなり伝わらなかったりした。

焦って口頭だけで「ツーブロックでオールバックで」って言ったところ、わかっていないっぽい感じ。遅ればせながらスマホで画像を見せたら「あーwこれはオールバックではないですね」と言われた。

は??書いてあるやろがい!オールバックって!!

まあ向こうは銀髪でおまけに刃物を持っているのでおとなしく引っ込んだが。

 

そんな不安な立ち上がりでカットしてもらったが、最後の方はブローの当て方やセットの仕方を教えてもらったりして、まあ何とかなったんじゃないですか?肝心の仕上がりは、正直期待していたほどイケメンになった感じはなかったが、そこは素材が素材。しょうがないよなという感じ。

ただ、無理して身の丈に合わない店に行っても気後れするだけだなとは思った。俺はこれからもQB Houseのお世話になろう。

 

ただ予想よりもカットが早く終わって時間ができてしまった。昼飯をゆっくり食う手もあったが、正直この時点でもうメチャクチャに緊張してきて食欲が全然湧いてこない。そこで、せっかくザギンに来たのだしと、クソデカユニクロに寄ることを思いついた。

コーディネートに関しては既にS君OKは出ていたものの、「どこそこをこういうアイテムにかえればもっとマシになるかもしれんけど」とアドバイスはもらっていたので、その通りに買ってその場で着替えてしまおうという魂胆だ。いい思い付きじゃないか?これ。

で、試着室で写真を送ってみたが、「直前でイジるのはミスしがちだからやめとけ」と言われたので止めた。なるほど。既に色々ブレブレで予定をイジりまくっているという点からは目を逸らそう。

 

そんな無駄なことをしていても集合時間まではまだ余裕があったが、他に時間を潰す手段も思いつかず、俺は池袋に向かった。結局待ち合わせ場所のいけふくろうには30分前に到着してしまう。初デートでめっちゃワクワクしてる人かよ。

Uさんとは既にアプリで連絡は取れていて、こちらに向かっているらしい。どうやらドタキャンはないらしい。本当に会うんだな。これから……

ちなみに平行して麻雀の話なんかもしていた。ネト麻はあまりやらないそうで、身内と打ったり、フリーに行くこともあるそうだ。へー。

マジでどんな人が来るのか全然わからんな……。

 

それにしても、いけふくろうは定番の待ち合わせスポットであるだけに、メチャクチャ人が待っている。そのうち、隣で待っていた男の人の待ち合わせ相手が来た。で、その女の人と「はじめまして〇〇です~」している。おいおい、コイツも俺と同じマッチングアプリ的なヤツで初対面の口かよ。流行ってんな~。

と思ったらもう一方では女の人同士で「はじめまして~」をしていた。おいおい、百合かよ。流行ってんな~。

 

そういえば、一応Uさんは俺の顔知っているけど、これだけ人が多いと服装も伝えた方がいいかなと思い、「アプリにあげてる写真みたいな格好してます」と送ったところ、

「わかりました。わたしはジーンズ革ジャン緑の柄シャツ着てます」と返ってきた。

柄シャツ?やっぱ色々尖ってそうな感じだよな。

でももうわからん。全然わからんわ。ただでさえ女の人と話すってだけで緊張してんのに、どんな感じの人か全然想像ができない。もう、緊張し過ぎで吐きそうだ。

早く答えを見せてくれ~ってという感じで周囲をキョロキョロしている俺は間違いなく不審者だった。

 

そんな俺に声がかかる。

「リューシさんですか?」

 

ついに俺の初デートが始まる。

ロマンスの神様、この人でしょうか?

 

 

 

今回はここまで。

 

アークナイツが忙しすぎて結局3週間空いてしまった。申し訳ねえ!

次回から初デートでテンパりまくる俺をお楽しみいただければと思う。

ただ、来週は旅行に行くので、そのぶん平日書き進めたいとは思っている、思っているのだが!

文才が欲しい。

 

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